亜稀Ⅶ

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「勝哉さん…今日は早くに仕事が片付いたって…」 「うっ…」 「……ああ…成る程… 憂君が残業しているのは多分私のせいですね… 昨日私が勝哉さんに早めに居酒屋に来て下さいって言ったから…」 申し訳無さそうな尾澤さんの言葉に、かっちゃんは気まずそうに顔を逸らした。 あ~仲良くやってんだなぁ… と、微笑ましく見ていると、ポカーンと朔夜さんを眺めていた涼聖が視界に入った。 「あ…アカン… これは本間笑えるっ!! あんた朔夜やろ!?」 「え?」 笑いながら涼聖に声を掛けられて、朔夜さんは漸く涼聖に気が付いた。 ちょっと驚き過ぎたのか、そのまま固まる朔夜さんに、涼聖と朔夜さんを見比べて大爆笑の他の奴等。 「お前…」 「はじめましてやな~ 朔夜さん。 俺涼聖っちゅーねん 仲良くしてや!」 「……亜稀君、もしかして…会わせたかった奴ってコイツ?」 「そーです。 憂さん今来れないなら丁度いいや。 どっちが朔夜さん?ってやりましょうか?」 「…憂が解らないわけないでしょ?何言ってんの?」 涼聖と顔を向き合わせるのが嫌だったのか、朔夜さんは涼聖の並びに座った。 でも、向き合ってるこちらから見ると、同じ顔が2つあってかなりウケる。 「やんなぁ~ 彼女なら解って当然やろ? もし俺の彼女がここにおっても解るし。って、これさっきもゆーたけど」 …あれ? 涼聖…もしかして、憂さんの事女の子だと思ってる? 「いや、やってみなきゃ分かんなくね?」 「でも、涼聖さん喋ったらバレますよね。 憂さんが来るタイミングで朔夜さんが隠れて、憂さんが勘違いするかどうか見たら…」
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