亜稀

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2-10 「…何考えてんの?」 「何… んー…一人より、誰かとした方が愉しいから?」 「それなら、彼女…つか、恋人とか…」 「居たらこんな「遊んでます」宣言出来ねぇ奴だと思うよ?俺」 「え?居ねぇの?」 「実は居た事ないんだよなぁ… なんと言うか… 自分で言うのもなんだけど、俺すげーマメな奴だと思うんだよ。 例えば恋人が居たとしたら、絶対そいつを溺愛する自信がある」 「あー…なんか想像つく…」 「な? でも、本当にそこまで好きだと思える奴になかなか出逢えない。 告られる事は多いけど、告ってきた奴等の中に、俺自身マジになれそうな奴が居た事がないんだよ。 マジになれそうにもないのに、例えOKしたとしても… 多分、すげー大事にはしてやれると思うけど、「愛してる」にはならない。 そういうのって、上辺だけじゃ続けられないと思ってるからさ。 告られなくても、俺から告りたくなるくらいマジで好きになれる奴が居たら…それが上手くいったら、やっと恋人も出来るかな…と…」 「‥そーなんだ… 意外とマジで考えてんだ…」 「まぁね。笑えるくれぇロマンチストだけど。 そーいう奴に出逢えたらそいつだけで十分なんだけど… ほら、生理的な問題ってあるじゃん?」 「まぁ…それは否定出来ない…つか… 遊んでるだけの奴なら、オレも居なくないし…」 「そうっしょ? それと同じ事だよ」 「や、でも、オレは男には手ぇ出さないぞ?」 「だから、バイだって言ったじゃん? いくら俺だって、本気で拒まれれば手出ししねぇって… 怒らせたなら謝るよ。 昨日は大分酒も入ってたし… 拒みきれてなかった所に俺が余計な事をしたのが悪いんだ」
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