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2-18
マジになってくれなくてもいい、だけど、亜稀との今の状態が崩れるのはきっと耐えられない。
雅貴と話をしてから、なんだか仕事に身が入らなくなってしまった。
翔も雅貴も、よく切り替えられるよな…
12月になって11月の順位が出ると、オレは指名数は変わらなかったものの、売り上げが随分落ちていた。
接客態度がなあなあになってたんだから当然の結果だ。
12月頭、オレは仕事終わりに何故か亜稀と二人でラブホに居た。
誘ったのはオレだけど、なんでラブホ…
「なんで男同士で入れるラブホ知ってんの?」
「ゲイバーのお姉さんに教えてもらった。
超面白い姉さんが居てさぁ、kinglarって店のマリアってお姉さんなんだけど、今度一緒に行く?」
「え゛…
ゲイバーに?」
「あ~、ノンケな客全然多いから大丈夫大丈夫。
女の子客も多いし」
「それなら…行ってみたい気もする…」
「んじゃ、今度行こうか。
つか…最近啓吾調子悪くねぇ?」
「何が?」
「仕事。
売り上げ落としてんじゃん。接客見てても、前みたいな感じねぇし…」
おまえのせいだよ。
「…何となく…
やる気起きねぇっつーか…」
「なんかした?
俺で良ければ悩みあるなら聞くし」
敢えて亜稀から顔を逸らしていたものの、不意に心配そうな表情で覗き込まれ、その瞬間に抑えていたモノが完全に崩れ落ちた。
何も言わず亜稀に抱き付くと、亜稀はそのまま動かず少しの間黙り込んだ。
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