亜稀

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2-3 「ふーん… じゃあ、話してみりゃ意味解るだろうよ。 すげー奴だから」 二人はそんな事を言って笑っていた。 益々腑に落ちない。 なんだかモヤモヤしたまま店を出ようとすると、入口のカウンター近くで掃除をしていた亜稀と、それを止めようとしていた下っ端ホストが視界に入った。 「亜稀さん! んな事しなくていーんスよ!オレがやりますから!」 「なんでっスか? 掃除は新人の仕事っしょ? つか‥“亜稀さん”とか止めて下さいよ… 出来れば今まで通りで…」 「そういう訳には… …あ!啓吾さん!」 少し話を立ち聞きしていると、オレに気付いたホストが助けを求める様にオレに声を掛けてきた。 「…何?」 「啓吾さん、亜稀さん止めさせて下さいよ! この人、アフター断って掃除してて…」 「だから、断ってないですって。 ちょっと遅れてくって言っただけで… 掃除終わったらちゃんと行きます」 亜稀はそう言いながら困った様に苦笑していた。 その時にオレは初めて亜稀の顔を間近で見た。 やっぱ綺麗な顔してるな… つか、背高いし、脚長いし、顔小さい。 なんつー恵まれた外見してんだか… 「あの…啓吾さん…?」 まじまじと亜稀を眺めていると、無意識に無言になっていたのか、探る様に亜稀に声を掛けられて我に返った。 「あ?…あー… まぁ、頑張れ」 「えっ?!止めてくださいって…っ」 「ハハ、あざーっス! 啓吾さんはこれからアフターですか?」 「え?まぁ…」
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