亜稀

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2-4 「大丈夫っスか?なんか疲れた顔してますよ?」 「へ?そー? 疲れてるは疲れてるけど…」 「そんなお兄さんには、ファイト一発リポDを俺からプレゼント」 「は?」 ジャケットのポケットから何故かリポDを取り出した亜稀は、ガキみたいな顔で笑ってそれをオレに手渡した。 「なんでこんな物…」 「俺のポケットは四次元ポケットなのデス。 ま、気休めですけどね。 あんま無理しねーように。疲れてる時は寝るのが一番っスよ」 ついさっきの笑い顔からはガラリと変わった、大人っぽい緩い笑顔の綺麗さに不覚にもドキっとしてしまった。 亜稀って、変な奴。 でも、一瞬でもドキっとしてしまったオレはもっと変な奴。
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