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陽が登ってきた頃病室でテレビを点けたら、俺がストーカー被害に遭ったニュースがやっていた。
色んな局でなかなか大々的にやってくれていて、なんだか他人事の様に「へー…」なんて言いながらチャンネルを変えていると、鴨下さんの局のテレビのアナウンサーが
「この度は亜稀さん並びに関係者の皆様に、当局の行動で多大なご迷惑をお掛けし、まことに申し訳ございませんでした」
と謝っていた。
「…またいきなり…つか今更?」
「今更つか…
お前が人集りに謝って、サイトで文章upしてから局に非難が集中したって噂で聞いたけど…」
「昨日テレビの取材が店周りに結構来てさ、そん時に鴨下さんの局のお偉いさんもうちに謝りに来たぞ。
ストーカーの奴が、テレビで亜稀を知って…って言ってたみてぇだし」
「マジか…」
「マジで。妙な事にはなったけど…
鴨下さん絡みはもう大丈夫だろ」
確かに…
これでまだ何か言ってくる様なら鴨下さんの人間性を本当に疑う。
外来の受け付けが始まってから、保険無しで一泊分の入院費を払って病院を出た。
亜稀で入院してんのに、千里の保険証は出せない。
保険無しだとこんな高いんだなぁ…
若干痛い出費…
取り敢えず家に帰らなきゃ…
宿のない涼聖は夕方まで翔の家で寝るらしい。
自宅に帰る為タクシーに乗って、何となく携帯を開くと、兄貴から鬼の様に電話が掛かってきていた。
時間的には朝からだし…
ニュース見たのか…
もう兄貴は仕事に行ってるだろうからメールで『大丈夫。これから帰る』と送った。
心配してくれたんだろうなぁ…
こりゃ次まともに顔合わせた時絶対怒られるな…
それを想像して思わず苦笑い。
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