亜稀

8/31
前へ
/662ページ
次へ
2-7 「‥そーいうの、キッパリ言い切れちまうのって凄いよな… 亜稀、格好いいし…」 「ははは…ありがと。 ……なぁ、啓吾、男とやった事ある?」 「は…?」 吸っていた煙草を灰皿でもみ消したと同時に、急に至近距離に来た亜稀の顔に一瞬吸い込まれる様に目を見ると、何故か突然キスをされた。 一瞬何が起きたのか解らなかったものの、直ぐに状況は理解出来た。 男となんかやった事ねぇし、こんな風にキスをした事も当然ない。 でも、拒む気が全く起きない。 なんだか気持ちいい… 少し長いキスをして、唇が離れた時には、オレはソファーに横にならされていて、亜稀がオレに覆い被さっていた。 「‥ぉ…男となんか、やった事あるわけねぇだろ?!」 「だよね~ でも、俺、啓吾抱きたいな… ‥抱かせて?」 亜稀はガキが照れた様な顔で笑んでそう言うと、再びオレと唇を重ね、オレの躰を指先でなぞった。 男とやるなんて、普通ならまっぴらだ。 けど‥拒めない… それどころか、どんどん亜稀に引き込まれる。 そのまま流されて… その日オレは初めて男に抱かれた。
/662ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2334人が本棚に入れています
本棚に追加