第ニ話…初陣に立つ

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「アナタ、近々会いたい人に会えますよ。」 「…。」 ありきたりな言葉。下らない。 そう思って席を立つと、占い師は驚きの言葉を放った。 「アナタ、孤児院にいたでしょう。その孤児院の主は何物かに殺された。違う?」 ルイスのことは自殺で片付けられ、死亡したことを知らせるために街の掲示板に小さく貼り出されただけだった。 ルイスがいた街からどれだけ離れているかもわからないこの国の占い師が、何故そのことを知っているのだろうか。 「シケた顔だね。いいさ、良いことを教えてやるよ。人間、泥水ばっかり飲んでたらいつかは泥水も尽きる。そうしたら、今度は甘い汁が吸えるもんさ。まあ、泥水の量は人によって違うがね。」 思い返せば、カインの今までの生涯はお世辞にも華やかとは言い難かった。 家族に等しい人々を失い、帰る家を失い、拉致されて無理やり兵士にされて。 「…ありがとう、嘘でも嬉しいよ。」 「嘘かどうか、その目と耳で確かめておいで。」 占い師は、もう店じまいなのか、店を畳んで路地裏へと消えた。 .
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