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「これ、そないに大事なものなんですの?」
そう言いながら、試験管を不思議そうな顔で見る。
「・・・それは私が今一番可愛がっている材料だヨ。
早く返し給え。」
余程大事なのか、力ずくでは取り戻そうとはしないマユリ。
そしてそれに気づいたギンは、少し口角が上がっていた。
「そういえば、十二番隊長さん、経費削減の話聞きはりました?」
「・・・なにかと思えば、そんなくだらない話かネ。
私には関係のない事だヨ。」
「あらら? そないな事言うて・・・給料なくなってもうてもええんですの?
十二番隊長さん、おかしな研究に莫大な資金注ぎ込んでるんちゃいますの?」
「・・・」
「なんや、手が疲れてもうたなァ。
うっかり落としてしまいそうやわ」
そう言って、ギンはわざと試験管を揺らす。
「・・・フン。 全く不愉快な奴だヨ。
そもそも十二番隊長である私に、経費削減など関係のないことなのだヨ。」
そう言い切るマユリにギンは首をかしげた。
「なんや、言うてる意味がようわかりませんなァ」
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