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「…行っちゃった」
家事を手伝うと言ったものの他人の家のことはよくわからないし、どこまでが手を加えていいのかの線引きもわからない。
「とりあえず…洗濯物?」
しかし小さな庭を見ると
「あ!もう干してある!」
きれいに並べてあったのだ。
「そっかそっかじゃぁお布団も干さなきゃね」
といっても涼太の部屋に入らなければならないので中々に緊張する。
「お、お邪魔しまーす…」
しかしそこは男の部屋とは思えない程きれいに整っていた。
そして布団も既に干されていた。
「うわ…私の部屋よりきれ…」
いやいやと首を振った。
「あとは…掃除?」
涼太の家は1階建ての一軒家であった。
部屋はキッチンがくっついているリビング、涼太の部屋、今後さゆりの部屋になるであろう部屋、風呂および洗面所。
涼太は常日頃掃除を欠かさないのであろう、この全てをまわっても掃除が必要なところは見つからなかった。
「え…そんな…このままじゃ私の立つ瀬がないよ!」
少なくも焦燥にかられたさゆりは一つ案を思いつく。
「そうだ、お昼ごはんを作ろう!」
この時、涼太は背筋に悪寒を感じたというがそれは内緒の話にしておこう。
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