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お昼を食べ終わり、少しまったりした雰囲気になっていた。
「ねぇ時風さん、これからの旅はどうするの?」
はっと思い出した、彼女は旅をしているんだった。無謀にも。
「うーんそれなんだけど…」
なんだか言葉を濁すように下を向いている。
「何も考えずにこの町に来ちゃったけどね、楽しくていい町だと思うんだ。だからこの町にしばらく居ようかなと思うの。」
「そっか、それはいいかも」
彼女がこの町に滞在してくれるというのはなんだか嬉しい話だ。可愛いし。
「それでね」
急に引き締まった顔になり、こちらをじっと見てくる。
う、照れる…。
真剣な目なので視線はそらさないようなしていた。
「それで、一人暮らしの深波君の家事をお手伝いしようと思うの!」
「え、どういう…」
「住み込みで!!」
…えええええええええ!?
いや…これは口に出た。
「えええええええええ!?」
「ちょっと待って、君は今旅の途中で…え!?僕の家に住み込み!?家事を手伝うって、え!?」
慌てて当然だと思った。
「うんっ、一人じゃ何かと大変でしょ、まだ夏休みまで学校はあるだろうし」
「いやでも住み込みって…」
「だって他に泊まれる場所なんてないんだもの」
「…やっぱり迷惑かな?」
「そんな、迷惑とかじゃなくて、ほら急だったし…」
居候?こんな可愛い女の子と一緒に過ごすの?
いや嬉しいけどさ、色々問題とかあるよね、世間的にさ、いや嬉しいけど。
いやもう可愛いからいいや。
「た、旅が終わるまでの少しの期間ならいい…かもしれない」
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