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「うん!それがいい!!」
「いやむしろよく聞く感じで少し心配だけどね…」
僕じゃこれくらいしか浮かばないか…。
しかしまぁよく考えてみれば特に挨拶をしなければいけないなんてことはない。
その場その場で十分だろう。
「それに聞かれたらでいいよ」
「そうだね、別に無理に知らせる必要ないもんね」
そして一段落ついたのだったがさて…どうしたものか。今日は日曜日なので学校はないし特に予定はない。全くのフリーというわけだ。
今日これからの予定を考えていると、ふいに彼女がこんなことを言い出した。
「ねぇ深波君って"深波涼太"っていうんだよね、これから涼太君って呼んでいい?」
「うん、呼び方なんてなんでもいいよ、任せる」
「じゃぁ僕も時風さんのこと下の名前で呼んでいい?」
「もちろんいいよ。それに名前で呼ばれるほうが多かったし」
「そっか」
「涼太君」
「は、はいっ!?」
…なんか照れ臭い。
「これからよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる。
「あ、いやこちらこそよろしく」
つられて深々と頭を下げる僕。
そして満面の笑みの彼女。
こうして僕らはこの夏に出会ったのだった。
~出会い~ 終
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