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「…君の光は我々にとってはあまり迎え入れるべきものじゃないんだけどな」
「あ、ごめん」
少年の苦情にも似たその呆れた声に少年は瞳を閉じる。
ふわっ、と小さな風が白い少年を纏った。
立ち上がってもいない少年の体を淡い光が包んで木々の葉と共に少年の白い髪を揺らした。
白い少年のまわりだけが淡く光り、それを見る幼い少年はそれを嫌がるように目を細めた。
ふっ、と少年の背中に白く大きな翼が現れた。
白い翼は大きく広がり羽が少年のまわりを舞う。
羽が地に落ちたと同時に風と光はおさまり、もとの暗さに戻った。
一通りのことが終わり、白い少年はすぅ、と黒い瞳を開く。
「やれやれ、天使様ともあろう方がこんな暗闇に来ること自体が間違いなんだ」
ぶすっと無愛想に黒を纏った可愛らしい声の少年が白い少年に近づいた。
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