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追試を終え、優樹と俺は学校を後にした。
「いやぁ~、やっと解放されたわ」
優樹は大きく伸びをすると携帯で誰かに電話をはじめた。
「誰にかけてるんだ?」
「コレだよ。コレ」
そう言って優樹はにやけながら小指をたてる。
「お前もはやく彼女の一人くらいつくれよ。毎日が楽しいぞ」
俺はため息をつくと、先帰るぜ、と言って誇らしげな優樹を置いて先に帰路へついた。
程なくして、自宅に到着する。
俺は町外れの小さなアパートで一人暮らしをしている。
そう言うとクラスの連中は羨ましがるが、現実はかなり厳しい。
部屋に入り荷物を床に投げると冷蔵庫を開ける。
中には飲料水のペットボトルが大量に入っている。
それを一本持つと、部屋の真ん中にある机に置きテレビをつけた。
テレビからはニュースキャスターが今日あった出来事を話している。
キャップを開けて一口水を飲むと気になるニュースがテレビから聞こえてきた。
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