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「よく避けれたね! でも、いつまでもつかな?」
「はっ、俺だって吸血鬼だ。そんじょそこらの人間や妖怪より体力はあるぜ?」
「そう? そのわりに疲れてるように見えるけど?」
「う……腹が減ってるだけだ!」
「それでも本気できてよ~!」
「無茶言うなよっ、と! ここでトラップ発動!」
「え?」
突然転がっていた瓦礫が浮かび、4人のフランを囲み始める。使えるものはなんでも使う。それが俺のポリシー!
「そこらへんに転がっている瓦礫に霊力を加えておいたんだよ。これだけで俺の思うように動かせる。さぁ、いっけえぇぇ!」
「き、きゃああああ!」
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「……あれ?」
いつまで経っても攻撃がこないのを不思議に思い、フランが目を開けるとぶつかる寸前で瓦礫が止まっていた
「よし、おしまいだな!」
「え、どうして……」
「お前の分身の3人は消しておいたぞ。今はもう動きたくないし終わりにしてくれ……」
「私はまだ終わっていな―――」
「おしまいだっていったろ?」
フランの喉元に爪先を立てて動きを止める。あまりこういうことしたくないんだが……
「っ!」
「本当にすまない。腹が減っているときはあまり動けないんだよ。だからまた今度な」
「むー……本当?」
「あぁ。本当だ」
「じゃあ早くご飯食べにいこ! それからならいいよね?」
「(うわー、そうきたか……しかも満面の笑みで言われちゃあ……)あはは……わかった。いいよ」
断れないわなー……
「やったー! 優お兄様、早く早く!」
「はいはい……って、お、お兄様?」
「うん! だって、私やお姉様よりも長生きしているみたいだし同じ吸血鬼でしょ?」
「いや、それはそうだけど……」
「だから、優お兄様! いいでしょ?」
「う……うぅ、わかった……」
「えへへー、ご飯♪ ご飯♪」
なんか変なことになってきた……
食堂へと戻る途中、フランを頭に乗っけた俺を佳織がジト目でずっと睨んできたんだけど……俺、何かしたか?
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