20人が本棚に入れています
本棚に追加
で、館の中に入ったわけだが外から見た大きさ以上に中は広くなっていた
「うはー、広いな……」
咲夜さんから聞いた話では、能力を使って空間をいじくっているんだとか。俺にはよくわからないけどな!
「着きましたよ。お嬢様、失礼します」
「どうぞ」
ガチャ
部屋に入るとすぐにコウモリの羽根を背中に生やした少女の姿が見えた。どうやら俺と同じ吸血鬼らしい
「ようこそ、紅魔館へ。私がこの館の主、レミリア・スカーレットよ。よろしく、同族の人?」
「やっぱり気づいてたか。一応羽根は隠してたんだけどなー。まぁいいや。俺は樋渡 優。そんで俺の背中にいるのが」
「主の日向 佳織です。ちなみにこの人は私の式神です……」
「へぇ、ずいぶんと大きな霊力を持っているみたいね……ちょうどよかったわ。少し話を聞いてくれる?」
「ん? 俺にできることならなんでもいいぞ?」
「ありがとう。同族のあなたなら知っていると思うけど、私たち吸血鬼の狂気が高まる紅い満月の日がもう少しでくる。私はどうにか狂気を抑えられるのだけれど、妹のほうがまだ狂気をコントロールできないのよ。そこで、あなたに頼みたいことが」
「大体分かった。ようするに、レミリアの妹の暴走を抑えればいいんだろう?」
「えぇ、そうよ。私の頼みを引き受けてくれるなら食事や寝る場所を確保してあげられるけ
ど、どう?」
「別に俺はかまわないが……佳織はどうだ?」
「いいですよ。元の世界の悪霊などはほとんど片付けましたからしばらくは放っておいても大丈夫でしょう」
おいおい、巫女なんだからそれをいうのはどうかと……
「でも、俺だって完全に狂気を抑えられるわけじゃないぞ。疲れている状態ではきっと狂気を抑えきれなくなる」
「そう……」
うー、と唸りながらレミリアが頭を抱える。やべっ、真面目な話をしているのにかわいいと思ってしまった……って、咲夜さん鼻血流しているし!
「その辺りについては私にお任せを……」
佳織は俺の背中から飛び降りるとレミリアの前にでてきた
「彼の暴走については実際に紅い満月の日に何度か止めたことがあるのでお気遣いは無用です」
「あら、そうだったの。なら、いいわね?」
「え、でも……」
最初のコメントを投稿しよう!