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「買い物行くけど…桜も来る?」
煙草をくわえながら聞いてきたのは『快楽』のメモリーを持つティキ・ミック
『あ、行く行く♪』
いつもは伯爵に「危ないから」と言って外には出してもらえない。
そんな私の状況を知ってか知らずか…まぁティキの誘いに乗ることにした。
『方舟から出るの?』
これで出ないなんて言ってくれたら付いて来た意味がなくなる
「もっちろん♪
桜はあんまり出れないだろ?」
ニヤリと効果音が付きそうなほど口元を吊り上げる。
なんだよ、そんなに私が哀れか!!
ティキを横目で見ながら心で叫んでやった
『でもその格好で出るの?いくらなんでも目立つんじゃ…』
ノアは基本的に方舟の中ではスーツやドレスを着ている。
そんな格好で出れば流石に浮くだろうと思った
「心配ご無用さ」
そういって帽子を放り投げる。
徐々にティキの周りを煙が囲んだ。
私は一歩退いて立ちすくむ。
『なっ…』
煙が晴れるとティキの格好はスーツではなく、Tシャツにジーンズのラフな格好になっていた
「これで可笑しくないだろ」
爽やかな笑顔を浮かべながら方舟のゲートをくぐった
『私は変えなくていいのかな…』
今の格好はシャツに黒のスカートだ。
ま、大丈夫かな?
『待ってよティキ~(-o-;)』
既に見えなくなったティキを追いかけた
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