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私は逃げたかっただけかもしれないただ自分が傷つくのが怖くて…寂しくて…
「どこ行くんだよ海洲帆!」
去ろうとする少女を塔子は呼び止める。
「お前は俺達の仲間だろ!」
円堂が呼び止めると少女は振り向く。
「私はキャプテン達と一緒にいることはできない。」
「なんで!」
「私はエイリア学園の生徒だから…。」
「それでも海洲帆さん一緒に戦ってくれたじゃないですか!」
立向居が言うと少女は涙を流す。
「私は…、私はいつか雷門のみんなを傷つける。そんなの嫌だから…。」
しゃがみこむ少女の前に鬼道と豪炎寺が近づく。
「海洲帆、お前はここに来てなにをしたかった?」
「私はお父様に気付いて欲しかった…、お父様のやってること間違ってると…。」
「海洲帆さん…。」
「グランもガゼルもバーンもみんなを助けたくて…、でもそのために雷門の皆さんをキャプテンを鬼道を豪炎寺を利用して…。」
そういうと少女は涙を流す。そんな少女を豪炎寺は抱き締める。
「…豪炎寺?」
「もういい。」
「でも、私…。」
「もういいから、言わなくていいから…。ごめんな気付いてやれなくて…。」
「ふぇっく、修也。」
強く抱き締める豪炎寺に少女も腕を回す。
「修也…、ごめっ、ごめんなさい。私、わたし…。」
「誰もお前のこと疑ってないだから泣くな。みんなが心配するだろ。」
「…うん、修也。」
「なん……んっ。」
向かい合うと同時に少女は少年の唇に自分のものを重ねる。
「修也、大好き…。」
「知ってる、俺はお前のこと愛してる。」
そういって少年は少女を再び抱き締めた。
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