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炎の男を追い沖縄で練習していた。
「よーし、みんな休憩だ!」
そういうと各自が休憩に入る。
「円堂、氷華は…。」
「また1人で練習してる。」
「蓮ちゃん、体大丈夫かな?」
「でも、蓮は言っても聞かないぜ?」
「きっと豪炎寺の存在がFWであるあいつを苦しめてるんだ。」
鬼道が話し終わるとその場にいた全員が俯いた。
その頃1人の少女が森の中でひたすらボールを蹴っていた。
「はぁ、はぁ…。」
‐お前なんて豪炎寺に比べたらな…‐
‐FWならもっと攻めてみろよ!‐
「くそっ!」
思いだせば出すほど頭が痛かった。チームの人からの期待、それが彼女を追い詰めていた。
「どうやったら強くなれる、どうすればいい、俺は…私は…。」
「…おい。」
不意に呼ばれ振り向くと赤い髪が特徴的できれいな黄色の目をした少年が立っていた。
「あんたは…。」
「俺は南雲晴矢。お前もサッカーやってんの?」
「関係ない…。」
「ふーん、ちょっとボール借りるぜ。」
そういうと少年はボール蹴ってゴールにいれる。
「…すごい。」
「だろ?ほら立てるか?」
「あぁ、…いっ!」
少女は立ち上がると足を少しかばった。
「大丈夫か?」
「べつに……きゃっ!?」
少女がいい終わる前に少年は少女を抱き上げた。
「なっ、南雲!」
「少しおとなしくしてろよ?」
少女に了承をとると少年は木陰に下ろし手当てする。
「…よしっ!」
そういわれ足を見ると丁寧に手当てされていた。
「…器用だな。」
「そうか?」
「あぁ、ありがとう。」
そういって少女は少年に笑ってみせる。
「そっちのほうがいいぜ。」
「えっ?」
「あんまり無理はすんなよ。急がなくていい、自分のペースでやれ。」
「自分の…ペース…。」
少女が聞き返すと少年は笑ってみせる。
「お前、名前は?」
「氷華…蓮。」
「蓮か、蓮これやるよ。」
そういって少年はミサンガを渡す。
「…いいの?」
「あぁ、また会えるようにな。じゃあな、蓮!」
「うん、また…。」
少女がそういうと少年は笑いながら去っていった。
「南雲、晴矢…か…。」
そういって少女の顔に笑みがこぼれた。
‐そのあとの皮肉な運命を 2人は知ることもなく‐
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