第一夜

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「んじゃ両者和解したってことで用も済んだし、さいならー」 「ちょっと待ちなさい」  帰ろうとしたオレの襟首を女が掴んだ。 「何ですか。謝ったじゃないですかオレ(仕方なく)」 「まだ用は済んでないわよ」 「オレにはないです」 「私にはあるの」 「うへぇ」 「嫌そうな顔して言ってんじゃないわよ」 「嫌そうな、じゃなくて嫌なんです」 「ちょっと、レディにそんな口聞くもんじゃないわ!」 「レディ? どこにいんの?」 「アンタの目の前よ」 「あぁ、ゴミ女のことですか」 「誰が二足歩行する粗大ゴミじゃぁっ!!」 「はッ」 「笑ってんじゃないわよ」 「笑ってないですよ。バカにしたんです」 「なお腹が立つわ!!」 「それより、早く用件を言ってくださいな。レディ(笑)」 「ちょおまっ、(笑)って何よ」 「とんでもない。(笑)なんて付けてませんよ。レディ(爆)?」 「だから(爆)って何よ!?」  いいから用件を言え
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