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サンディ・エルバー どこぞの有名大学出の研究者 らしいのだが俺を含めて スタッフ全員が彼女をドクと呼ぶ 赤茶のウェーブのかかった髪を 無造作に伸ばし 暇さえあれば1日中 狭い部屋でパソコンと向き合って いるタイプの研究者だ。 たまには日に当たったらどうだと 言ってはいるのだが 元々日焼けしやすい体質とかで 滅多に外に出ない、 むしろ体質よりそのインドアな 生活のせいで日に当たると 皮膚が痛むんじゃないかと 俺は思っている。 「健康状態は良好の様だな。」 「だからって 健康診断に抱きつく必要は 無いだろう…そのうち 襲うぞ。」 「無理だなチョージ。 君が私に襲いかかる確率は 3パーセント以下 その3パーセントも 完全な密室で私と君の二人きり 君に強力な精力剤でも盛って 私が君に誘惑をかけでもしないと まず発生しえない。」 「……どういう評価だそれ?」 「君は異性に…いや、 人間にあまり興味が無いのだろう?」 そう囁いたあと ドクは船内に戻る 「良くわかってんじゃないか…。」 どうせ俺は人に興味を持てねぇよ。
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