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「遅いなあ、真由美の奴」
俺はボヤキながら腕時計を見た。
もうすぐ午後8時である。
待ち合わせ時間は7時と伝えてあるので、1時間近く過ぎている。
ただ、このくらいなら、いつものことだ。
待ち合わせ場所は、最近は、ここ、東京渋谷のハチ公前にしている。
それはアイツが、渋谷が好きだからだが、週末と言うこともあって、なか
なかの人だかりである。
俺同様、待ち合わせ人も、結構居るみたいだ。
相手が来ると、一人一人連れだって去って行く。
それを見ながら俺は少し不安な気持ちになっていた。
(事故にでも遭ってなければ良いが)
しかし、もしかすると、こういうこともありうるか。
真由美が、家を出て、最寄りの駅に向かって歩いていた。
すると、なーんか歩きずらい。
足元を見てみると、なんと、右足に長靴、左足にげたを履いていた。
「なんなのこれー。もしかして、間違えたー?」
とかボヤキながら、家に履きかえに戻った。
いや、それならまだましだろう。
これが駅に着いてから気付いたら、大変だ。
アイツん家から最寄り駅までは、歩いて20分かかるから。
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