第一章-episode1-

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 「ここからは電車ね」  10分ほどで黄色いバスが着いた駅には『長後駅』という看板が掲げられていた。  湘南の代名詞である江ノ島行きのうすクリーム色の電車に乗り込む。運賃はまたおごってもらってしまった。  「何で、湘南なんだ?」 「近くにあって、広い場所といえばそれ位でしょ」  結局ここは神奈川県なんですね。湘南、藤沢市・・・。縁がありすぎて辛い。 「あの田園風景ならあそこでも出来そうだけどな」 「近所迷惑になるでしょ」  迷惑になるほどの近所は居そうに無かったが。 「法術は、音に伴って強力な光も発するの。それを上手く術に生かせないかが永遠の課題なんだ」  ただでさえ光の無いところで光ったら大変な事になるだろうな。  電車に揺られること15分、そろそろ眠気が襲ってくる頃に電車は江ノ島駅に到着した。
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