プロローグ-prologue-

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「そのパターンってなんだ?」 ため息をつきながら話し始める。  「アンタはいつものパターン」  「アンタはね、殺されたの。無作為に」  そうか、死んだんで記憶喪失。じゃあ、生霊?ゾンビ?今の俺は何だ。殺人事件に遭ったなんて訳が分からん。 「意味が分からん。殺される筋合は無い」  一応、人並みに何事も無い平和な暮らしをしていたつもりだが。覚えてないけど。  「とりあえずよく分からなくても受け入れておいて。ここからの話は寛容性の広さが勝負だから」  なんなんだ一体。何も知らず気付いたらこの少女の家にいて、部屋に入るや否や拳銃を向けられて死亡宣告、おまけに記憶喪失ときた。意味が分からないにもほどがある。  「とりあえず、アンタは死んだの。んでここは死後のセカイってところね」 「死後のセカイって言うと天国やら地獄やらを想像するんだが、生活感あふれる空間じゃないか?」  「それはただの蟲(ダウナー)どもの勝手な戯言ね」
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