プロローグ-prologue-

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「ばーか。そんなんで大口叩いてたの?」  来て間もないのに、そんな教えたみたいなそういうのやめて欲しい。初めて聞いたんだが。 法術か、よくわからん。ハリーポッター的な?  身振り手振りを使って、少女による臨時講習会は始まった・・・ものの、彼女には発言をまとめる力が無いらしい。  なので、俺なりに頑張ってまとめてみようと思う。高校のノートまとめに関しては学年一と言われた俺の本領発揮だ。 とはいえ、何を言っても自称になってしまうのが辛い。果たして俺はそうだったのだろうか。  まずは、このセカイの情景だ。町に関しては、ごく一般的な日本の住宅街を想像して良いと思うとの事だ。いや、今見回してもなんにも変わった点は見られない。  情勢に関しては、さっきの話にあったように一番重要なトップがトップシークレットな訳だが、そこから四つの部隊と攻撃部隊『Attacker(アタッカー)』に分かれているらしい。彼女は第四部隊『Rosenheim(ローゼンハイム)』で、主に砲撃系法術を習得していて、前線で活躍する打撃系法術部隊Attackerの攻撃補助をしているそうだ。なぜ一隊員が部隊の名前など付けられたのかはわからないが、部隊の名前は彼女が決めたらしく、生前によく行った近所の駅前にあった百貨店の惣菜屋の名前から取ったと言っている。  部隊に関係無く各個人は属性を決める必要があるらしく、彼女は氷属性だとの事。俺も決めるとなると・・・風くらいがベストか?  氷属性である彼女にとって冬以外は術の効力が落ち、戦闘員として使いにくい。なので、少し前に無理矢理水属性の技の習得もさせられ、少し訓練に対してトラウマになっているという。  「でもね、良いのも手に入れたんだよ」 そうらしい。
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