第一章

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――――――― 「失礼しまぁす、お茶持ってきました―」 そう言って未加は返事を待たず副長の部屋の障子をあける 「返事を聞いてから開けろ!! …そこらへんに置いておけ」 土方は紙の山と闘っている為、未加の方を向かずにそう言った 「分かりました、冷めないうちに飲んで下さいよ」 未加は別に嫌な顔をせずただそう言い土方の部屋から立ち去った 必死に動かしていた手を止め 土方はお茶を手にとり飲む 「…苦ぇ」 俺は苦いほうが好きだがここまで苦いと流石に… 多分これは未加なりの気遣いだろう 今日は一睡もせずずっと仕事をしていた 未加は何故分かるのかその日の茶はいつも以上に苦い 「………眼覚めたし、やるか」 そうポツリと土方は呟きまた筆を動かしはじめた .
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