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うるさいわね!氷!あんた達が片付ければいいことよー!私は今不機嫌きわまりないの!」
「そーゆーとこ母親そっくりだな…」
「うるさい!そーゆーこというと母様の刑にするわよ!」
うっと氷はつまった。無言で葛葉が散らかした部屋を片付ける。片付けるからそれだけは止めてくれと態度で示した。
「あの~葛葉ちゃん機嫌の治るお薬が届いたよ」
もう一人の赤い印象の式神炎がニコニコしながらそういった。
炎は懐から文を取り出し葛葉の前に差し出す。
「光栄様からの文が届いたので持ってきたんだけど…」
「え!、ほんと!」
バッと炎の手から手紙を取り文を読む。
光栄様とは葛葉の許嫁の晴明の師匠の息子の賀茂光栄である。
賀茂家の嫡子で晴明と同じぐらいの呪力の持ち主で今年で19になる。
その許嫁を葛葉はとても好きで恋している。
顔いっぱい嬉しい顔をしている。さっきの不機嫌さは吹っ飛んだようだが、今度は悲しい顔になった。
その表情の変化をみて、心配になった炎と氷は葛葉に問いかける。
「なんてかいてあったの?」
「なんてかいてあったんだ?」
手をフルフル震わせながら、涙声でいう。
「光栄様…まだ播磨からなかなか帰って来れないかも知れないって……」
「がっかりすることないよ、葛葉ちゃんにお土産を選んでて遅れているんだ。きっと」
炎は気の毒にと思い、励ましの言葉をかける。
だが、氷は逆に意地悪くからかうように言う。
「案外播磨に女ができて浮気してたりな。葛葉みたいな子供より大人の女性の方がいいに決まってるしー」
葛葉はキッと氷を睨み
「母様の罰決定……」
氷の顔は血の気の引いた顔をして冷や汗をかいて土下座しながら謝る。
「ごめんなさい!ごめんなさい!葛葉様のような可愛らしい婚約者がいたら浮気なんて滅相もございません!」
「北の方って相変わらず恐ろしいものね…」
炎も青くなっている。
北の方葛葉の母親は式神にとってとても恐ろしい存在なのだ。
「わかればよろし!そのかわり、播磨まで私の文を今日中に届けてもらいますからね」
「は………い……」
(播磨ってかなり遠いいよな…今日中って)
「さーてと早速文をかこーっと」
散らかった部屋の中から文箱と机を見つけだし文を書こうとしたその時
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