楽しみのための楽しみ

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階段を2、3段降りるまで 『吉田さん』の キュンキュンと鳴く声が 帰宅ラッシュを過ぎた夕方の住宅街に微かに響いていた。  地下鉄駅までは、歩いて10分もかからずに着く距離ではあるが『イズミ』はよくタクシーを使う 理由は単純で、歩くのに体力を使うくらいなら、お金を払ってでも遊びに体力を回したい、時間だって節約できる   他人が聞けば、馬鹿げた理由かもしれないが価値観なんて人それぞれかもしれない。     夜がくるのが待ち遠しい… 一日のうち20時間が夜だったらいいのに、と『イズミ』は本気で考えていた。
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