◇入学◇

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一気に、自分が前に出た。 中学校では、自分に付いて来る人はいなかった。 しかし、誰かが後ろをずっと、付いてきた。 (やばい、このままだと抜かれる) 必死になっていた為に後ろが誰なのかは確認できなかった。 そして、ゴール。 ハァハァ… その時、『速いね~もう少しで、付いていけなくなる所だったよ~』 と後ろから声がした。 まさか! 後ろをみたら当たっていた。 なんと、さっきの女の子だった。 『私、佐藤奈美!すごい、速いね~!中学校からしてたの?』 自分はとても驚いていた。まさか自分が話したかった相手から話しかけてくれるなんて。 「…うん、長距離好きだったから、ずっとしてたんだ。うちは、貴っていうんだ。よろしく!」 『よろしくね』 その時、部活の顧問が怒鳴ってきた。 「こら、そこ部活中に話してるんじゃない!」 『あ、まずいね、帰りにはなそっか~。』 奈美がひそひそと話してきた。 (まさか、こんなにも話せるなんて、これから楽しくなっていきそうだ) そう思い、ウキウキしながら走り出した。
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