猫と男と少女

2/5
前へ
/37ページ
次へ
ニャァァァ にゃぁぁぁ 事件が度重なり、犯人がまた捕まっていないということで、午前中で学校が終わり帰路の途中、ふぃに猫らしき声が聞こえた。 しかし、人間の声も聞こえる。 髪を肩まで伸ばし、眼鏡をかけた大人しげな、あどけない顔付きの制服姿の少女は、好奇心を押さえきれず、声の元へ制服を翻し足を進めた。 ナァァァン にゃぁぁぁん 「……川の方だ。」 耳を澄まして声の元を探り、普段とらない自身の行動に戸惑いながらも、足早に進む。 すると、川の土手に座っている男性が目に入った。 胡座をかいて座るその人の膝には、真っ白な猫がいる。 「見つけ……た。」 私は不思議な高揚感を感じながら声に出した。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加