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そこに店員が婦人のハーブティーを手にして現れ、提供する。
婦人はハーブティーを一口飲み、苦い顔をし、
「不味いわ。あなた入れ方分かってるの?下げてちょうだい。」
と言い捨てた。
店員は慌てて婦人に何度も謝り、その光景を楽しんでいるように見える。
一樹はその光景を知ってか知らずか、目をショボショボしながら、店員にフォンダンショコラを注文した。
店員は最後に深くお辞儀をし、その場を下がる。
婦人は邪魔されたのが気にくわなかったのか、
「あの、あなた本当に探偵なんですか?高木君の勧めで雇ってあげるのだけど、はっきり言って頼りないわ。」
と不信感をあわらにし、一樹とアリスを一瞥する。
アリスは頬に怒りマークを付くくらいイラッとしたが、コスプレのお金のために拳を握り締め我慢し、見えないように一樹の足をヒールで勢いよく踏みつける。
「いった!!うぅっっ………では明日、雪乃丞ちゃんをお宅へお届けします。」
と、一樹は涙目になりながら婦人に話す。
婦人は一樹の言葉にビックリし、次の瞬間、笑顔で一樹の手を握り、感謝の言葉を繰り返し、そして従者と去っていった。
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