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何事も無かったように授業は始まった。そして午前中の授業も終わり、昼休みに3人は屋上に向かっていた。
「あっこれは。」
理恵が何か見つけて拾い上げた。
「これって亜弥のじゃない?」
理恵が拾い上げたのはサンタのストラップだった。
「亜弥…昨日ここで落としたんだ。」
「って事はあの話は本当なんだよ。」
3人は改めて作ったストラップを取り出して眺めた。
「絶対に身につけてないとヤバいね。」
3人はストラップをギュッと握りしめた。そうストラップはただ、作るだけではダメで肌身離さず持ってないといけない。しかし、彼女達に恐怖は迫っていた。その日の放課後、それは起こったのだった。
「そう言えば亜弥が倒れていた所この近くだよね。」
「確かこの辺だよ。」
「あれじゃない?」
恭子が指を差した方に黄色いテープが張られていた。立ち入り禁止のテープだった。3人は恐る恐る近づいた。辺りには警察官らしき人が数人居た。1人の警察官が気づいて近づいて来た。
「あんまり近寄らないで。」
3人は頷いた。そして現場に向かって手を合わせた。すると和美が何かに気づきそれを拾い上げた。
「これ何だろう?」
ハガキほどの紙で何か書いてあった。
《メリークリスマス。あなたのもとへ》
「これクリスマスカードじゃない?あっ…。」
恭子はそう言うと口を押さえた。
「恭子どうしたの?」
理恵と和美が尋ねた。恭子は何かを思い出していた。それに気づいたさっきの警察官が近づいて来た。
「君達…勝手に触って貰ったら困るよ。…ん、それをどこで?」
和美が指を差して言った。
「そこに落ちてました。」
「勝手に触ったら君達も疑われてしまうよ。現に君達は触ったから指紋がついてしまったね。何かあったら呼び出すからここに連絡先を書いて。」
警察官が差し出した紙に3人は名前と住所と電話番号を書いた。そしてしばらく説教され3人は解放された。
「参ったわね。あんなに怒らなくても良いのにね。」
恭子は鞄をブンブンと振った。
「そう言えば恭子。さっき何か言いかけていたけど、何だったの?」
「う~ん…。あれはね。悪魔のサンタがね。殺人現場にクリスマスカードを置いていくって言うのを思い出したの。だから、亜弥はサンタに殺されたんだって思って…。」
「クリスマスカードを置いていくの?」
和美が尋ねた。
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