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あなたはこんな話を知っているだろうか?サンタの服の赤は人間の血の跡だと言う事を…。
昔、ある殺人鬼がサンタの格好で夜な夜な街を歩いていた。
殺人鬼の目的はそう人を殺す事。
それもうら若き女性だけを狙っていた。
その為、サンタの格好は都合が良かった。
誰にも疑われる事が無かったからだ。
警察は犯人をくまなく探したがなかなか捕まらなかった。
民衆は恐怖し街だけでなく国中がその殺人鬼の話題で大騒ぎになっていた。
それを重く考えた政府はどうにか収めようと考え出したのが、赤白のサンタで民衆にそれをイメージ付けしたのだ。
あくまでも民衆の恐怖を取り除く為にだった。
「ねぇー悪魔のサンタって知っている?」
いきなり恭子が言った。目の前の2人はお互いを見つめ合い頭を傾げた。
「悪魔のサンタ?知らない。」
理恵はぶっきらぼうに言った。隣の和美も同じく知らないのか頭を横に振っている。
「クリスマスが近づくと現れる殺人鬼らしいの。それも真っ赤なサンタの格好しているらしいの。」
少し興奮気味の恭子の鼻が大きくなった。それを見て2人が笑い出した。
「何で笑うの?」
恭子には2人が何故、笑っているのかが分からなかった。
「恭子の鼻の穴が大きくなるから…あははは…。」
恭子は慌てて鼻を押さえた。
「それにサンタは赤い服って当たり前でしょう。白いヒゲ生やしてトナカイに乗ってやってくる。これって普通じゃない。」
「違うの全てが赤い服なの。何故、赤いかと言うとそれは…。」
そう言いかけると先生が教室に入って来た。
「この続きは後でね。」
皆は慌てて席に着いた。つまらない古典の授業が延々と続いた。男子の数人は教科書を盾に寝ていた。先生も気づいているのだろうが、気にもとめないで黒板に漢字を書いていた。
退屈な授業が終わり3人は恭子の机の周りに集まった。
「それで何で赤いの?」
さっきはバカにしていた2人が急に興味津々で聞いている。よほど、さっきの授業が退屈だったのだろう。
「それが返り血なの。」
『返り血。』
2人が一緒に言った。周りの生徒が一斉にこっちを見た。2人は慌てて口を押さえた。
「実はそのサンタは連続の殺人犯なのよ。夜な夜な人を見つけて殺していたの。その時の返り血で真っ赤になっているらしいの。」
理恵と和美がブルッと震えた。頭の中で想像したのだろう。
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