真っ赤なサンタ

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「あんた達!それマズいよ。」 突然、後ろから言って来たのは、いつも無愛想な亜弥だった。長い髪をかき揚げながら3人の所に来た。 「いきなり何よ。」 恭子が少し怒った風に言った。残りの2人も頷いている。しかし、亜弥は気にすること無く話しだした。 「この話どこで見つけた?まさか、どこかのサイトじゃ無いでしょうね?」 「そうよ。《サンタがやってくる》っていうサイトよ。それがどうしたのよ。」 「やっぱりね。でも、それ途中までしか読んで無いでしょう?」 恭子はしばらく考えた。 「うん。確かに全部は読んでないかも…。」 「この話は最後まで見ないととんでもない事になるの…。」 亜弥は何か意味ありげに言った。3人は顔を見合わせながら考えている。 「とんでもない事って何よ?」 亜弥は近くの椅子を引っ張ると3人の前に座った。 「あのね…。サンタに殺されるの…。」 亜弥はそう言うと細く笑った。 《あははは…。》 急に3人が笑い出した。亜弥は鼻を鳴らして言った。 「何よ。笑って…。もしかして嘘だと思っているんじゃ無いでしょうね。」 「だってそんな事有り得ないでしょう。」 恭子が椅子に寄りかかった。 「別に信じないならそれでも良いわ。死ぬのはあなた達だからね。」 そう言うと亜弥は立ち上がりどこかに行ってしまった。 「ねぇ、恭子どう思うさっきの話?」 理恵が不安そうな顔で聞いてきた。和美も不安そうな顔で見ている。 「だって、あんなの噂話でしょう。信じている亜弥の方がおかしいのよ。」 「でも、あんな風に言う亜弥初めて見たよ。やっぱり詳しく聞いた方が良いじゃない?」 「私もその方が良いと思う。」 恭子は理恵と和美が必死の形相で言うから、仕方なく亜弥に聞く事にした。3人が廊下に出ると亜弥は廊下の窓で外を眺めていた。校庭では体育服の男子が走っていた。北風が吹いたのか、男子は寒そうに体を手で擦っていた。 「亜弥さっきはごめん。あまりにも信じられない話だったから…。謝るからその話詳しく教えて。」 3人は軽く頭を下げた。亜弥は振り返り3人の下に近づいてきた。 「やっぱりそうなると思ってここで待っていたの。」 亜弥は又、細く笑った。そう言うか否か、始業のチャイムが鳴った。 「残念ね。この話は昼休みに話しましょう。」 そう言うとツカツカと教室に入って行った。3人も慌ててその後を追った。
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