4人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかし、彼女達はその話の発端が誰なのか知らなかった。そして、その話を聞いたらサンタに殺されると言う事も信じていなかった。結果彼女達は1人を残して死んだの。」
「助かった人が居るの?」
和美が尋ねた。
「ええ…。」
亜弥は頷いて後ろを向き、屋上の柵の手すりに両手を置いた。
「でも何故、彼女達は話していただけなのに殺されたの?殺される理由もその前に殺人鬼が彼女達を知る訳無いじゃない?」
恭子が聞くと残りの2人も頷いた。確かに話をしていただけである。
「それはね…。」
亜弥はしばらくの沈黙の後、振り返りこう言った。
「その話の発端が悪魔のサンタ…いや、連続殺人鬼だったからよ。」
3人は驚いた。
「それどう言う事よ?おかしいじゃない。殺人鬼って1世紀も昔の話でしょう。捕まらなかったとはいえ、いくらなんでも死んでいるはずよ。」
亜弥は黙って細く笑った。
「だから、悪魔のサンタなのよ…。」
3人は言った意味が分からなかった。すると理恵が声を上げた。
「あっ?!」
残りの2人はびっくりして理恵を見た。
「そうか、悪魔だから死なないのね。」
理恵は一本指を立てて言った。
「えっそれどう言う事?」
恭子が難しい顔をして理恵を見た。理恵は困った顔をして下を向いた。それを黙って見ていた亜弥が口を開いた。
「そんな訳無いじゃない。いくら悪魔のサンタだからって死なない訳無いじゃない。分からないの?」
亜弥は3人をゆっくりと見回した。3人は首を振った。
「あなた達も鈍いわね。悪魔のサンタは1人じゃ無かったのよ。」
3人はやっと分かったのか、頷きながら亜弥を見ていた。
「結局、昔の悪魔のサンタを真似た模倣犯がいっぱいいる訳。そして、今回は恭子の見たサイトな訳よ。」
亜弥は腕を前に組んで、彼女達を見て楽しんでいるようにも見えた。
「でも、それを見たからって私達の事分からないじゃない。」
恭子が不服そうに言った。
「今のご時世、アクセスしただけで、色々なデータを盗むぐらい簡単。だから、少なくとも恭子の事は分かっていると思うわ。そうなれば、理恵と和美の事なんてすぐに分かってしまうかもね。」
それを聞いた3人は震えだした。亜弥は冷たい微笑みでこう言った。
「大丈夫。助かる方法があるわ。」
『本当に?』
3人は一緒に声を上げた。すると亜弥はポケットに手を入れると何かを出した。
最初のコメントを投稿しよう!