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「おはよう。」
『おはよう。』
和美と理恵が歩いていると後ろから、恭子が手を上げ挨拶をして来た。2人は返事を返した。
「あっそうだ。これ作って来たよ。」
理恵は2つの真っ赤なサンタを2人に見せた。
「本当に作ってくれたの。ありがとう。」
恭子はそれを貰うと色んな角度から眺めた。和美も受け取るとチョンチョンと触ってみた。
「まあまあ上手く出来たと思うから使ってね。でも、自分で作った方が良いと思うけど…ね。」
理恵は言いにくそうに言った。すると和美がポケットの中から何かを出した。それは理恵の作った物よりは劣るが真っ赤なサンタのストラップだった。
「気になって自分でも作ってみたの。」
和美は申し訳なさそうにしている。
「ジャジャ~ン」
恭子が自慢気に出したのは、サンタのストラップだった。
「うわっ恭子も作ったの?」
「やっぱり家に帰ってから気になって、自分で何とか作ってみたよ。上手には出来なかったけどね。」
確かにサンタと言うより、真っ赤なポストのようだった。3人の指には絆創膏が貼られてあった。苦労して作ったと言う事が手に取るように分かった。
「こうやって2つ並べたらなかなかじゃない。」
「それはそうと昨日どうだったの?」
そんな話をしながら学校に向かった。そして教室に近づくといつもより騒がしかった。
「ねぇねぇ何かあったの?」
恭子が近くにいた男子に尋ねた。
「渡部さん死んだらしいんだ。どうも殺されたって話だよ。」
「えっ!?」
3人は驚き理恵は口を押さえて座り込んでしまった。何故なら渡部とは亜弥の事だったからだ。教室がざわめく中先生が現れた。教壇に立つと亜弥の事を話し出した。
「実は昨日、渡部さんが帰宅途中で亡くなった。詳しい事は分からないが通り魔の仕業らしい。お前らも帰り道は気をつけろ。なるべく1人では帰らないように。話は以上だ。」
そう言うと教室を出て行った。恭子達は集まった。
「亜弥がなんで…。」
「もしかして…。」
「もしかしてって悪魔の…。」
「そう悪魔のサンタ。」
「それはおかしいよ。だって亜弥はサンタのストラップを持っていたじゃない。」
「でも、現に死んじゃったんだよ。あれだけじゃダメなんじゃない?」
「止めてよ…。そしたら私達も死ぬの?」
すると教室の前の扉を開け英語の先生が入って来た。
「はい、皆さん席に着いて。」
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