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彼女が神社の隠し戸を見つけたのは丁度7年前だ
その年は彼女の母が不慮な事故で亡くなっていた
―即死
母は愛しい家族に看取られることもなく逝ってしまったのだ
そして彼女も看取ることが出来ずに母を一人で逝かせてしまった
彼女は母の死を知ると酷く悲しんだ
そして普通ならいるべきなのにいない父を憎み恨んだ
父は多忙な人だった
その為家に帰って来る日も少なかった
そしてこの日も父が帰ってくることはなかった
彼女は電話をとった
「どうして帰ってこないの?お母さん死んじゃったよう」
彼女は電話の向こうにいるであろう父に言った
しかし彼が電話に出ることはなかった
元々こういう人だ
彼女は何度も自分に言い聞かせた
しかし溢れる感情を抑えることが出来ずに彼女は家を飛び出した
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