てくてくてくてく

3/6
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
腕に籠をぶら下げている。 「どうしたの?お嬢さん」 俺が笑顔を向けると、少女は籠の中から、イチジク浣腸を取り出した。 「おじさん、イチジク浣腸買ってちょうだい」 「いやー、おじさんは、カンチョーはいらないなあ。使う用がないし。悪いけどゴメンね」 俺が頭をかくと少女は悲しげな表情になり、トボトボ去っていった。 (なんだよなんだよ、イチジク浣腸売りの少女ってかあ。もちょっとマシな物売ってくれよって感じ) さらにてくてくてくてく歩いていると 「おい」 と声をかけられ、そちらを向くと、恐持て顔の男が、なんと俺にピストルを向け、突っ立っていた。 「な、なんのつもりだ」 びびってそう言うと 「これどう思う?」 と問われた。 「こ恐い」 と言うと 「そうでなく、この拳銃をどう思うか聞いてるの」 訳わかんなかったが 「凄いと思う」 と答えた。 すると男は銃を下ろし、近付いて来た。 「凄いでしょ、いいでしょ。これ、スミス&ウエッソンね」 男は銃を俺に渡そうとしたが、俺は手を振り、断った。 男は持っていたアタッシュケースを開いて見せた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!