てくてくてくてく

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その中には数丁の拳銃が収まっていた。 「その他に、コルト、トカレフ、あのワルサーだって用意してます。 いろいろあるけど、一丁どう?護身用に持っとくと便利ですよ。 そして、今、ご購入いただくと、もれなくあの、ニューナンブもついてくる。これはお得です」 銃の押し売りなんて聞いたことない。 「いやあ、銃だけは持たないことにしてるんですよ。すいませんけど」 俺は断った。 男は 「チェッ」 と舌打ちをしトランクを閉め、去っていった。 俺みたいなカタギにいわれても困る。 銃は違法なのだから。 さらに俺はてくてくてくてく歩いた。 すると前方から、がたいの良い、柔道着を着た、イガグリ頭の男がこちらにやってくるのが見えた。 柔道男はなにか叫んでいるようだ。 「えー、はーいあーんはいらんかねー。はあいあーんだよー」 なんじゃそれ。 俺がア然としていると 「あ、そこのアナタ。はーいあーんはいりませんか。結構大人気、はーいあーん1回380円」 「え?は、はあいあーん?何それ」 すると柔道男は、脇に抱えていた、風呂敷包を降ろし、風呂敷の結び目をほどいた。
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