てくてくてくてく

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包丁売りか。 「家にあるので、間に合ってます」 断って、また、てくてく歩いて行こうとした時、ハゲ男が包丁の刃を向けて、俺に体当たりした。 鋭い痛みが襲った。 包丁が俺の胸に刺さって、生温い血が衣服に、にじんで来た。 (なんで?) 段々意思が薄れていく中、男が、こう言ってるのが、微かに聞こえた。 「鯛や鯖などの三枚おろしも、素早く、さばけてしまう。 しかも、もし、アナタに、嫌な相手がいたら、こう言うふうに、ちょっと押すだけで、心臓まで刃先がたっする。 殺しも簡単、スグレモノ。 〇珍印の包丁だよ。 おひとつどう?」 俺は思った。 実演販売なら、鯛の三枚おろしの方にしてほしかった・・・・ こーゆー使いかたって・・・ 多分しない・・・・・ 完
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