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「君って、彼氏いたんだぁ」
トイレから出ると、赤毛の男がエミを待っていた。
確か…
ゴウ、と呼ばれていた男。
「いるよ?何で?」
エミは、当たり障りなく笑顔で答える。
「人形みたいだから、男なんかできないって思ってた」
人形
その単語は、エミの欲しい単語ではない。
「おあいにく様。人形でも、彼氏はできるんです」
「人形じゃ、何したって感じないし、つまんないだろうなぁ…彼氏君は」
男の言動が、エミの胸に突き刺さる。
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