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少年は門をくぐってからひたすら歩き続けた。
「光が見えた…あそこか…」
少年は歩く速さを上げて光の中に身を投げ出した。
まぶしい世界にようやく目が慣れて周りを見渡すとそこには緑が溢れている。
「流石地界だな…冥界に比べ豊かだ」
この少年、名を〈飛龍・ジギルレンド〉と言う。
冥界屈指の騎士で三本の指の内に入る実力の持ち主なのだ。
「だが、のどか過ぎて逆に落ち着かんな…まずは情報を集めるか」
飛龍はまた歩き出した、人のいそうな所を探して。
しばらく歩くと景色が今まで歩いていた草地から吹雪が吹き荒れる雪原に変わっていた。
「……確かスノータリアと言ったか?おそらくここがそうだろう…」
飛龍は周りを伺いながら進んでいると後ろから唸り声が聞こえた。
振り向くとそこには大きな狼が唾液を垂らしている。
ふと周りを見渡せば狼だらけで完全に囲まれていた。
ちなみにこの狼はスノーウルフと呼ばれるスノータリアでは一般的な魔物である。
「狼風情が…なめやがって」
すると後ろから一匹のスノーウルフが飛びかかってきた、が次の瞬間飛びかかってきたスノーウルフは真っ二つに斬り裂かれた。
「面倒だがここで殺す…来いよ」
いつの間にか飛龍の手には一本の刀が存在している。
次々と飛びかかってくるスノーウルフをものともせず確実に斬り裂いていき四分後、飛龍を襲ってきた一匹残らず斬り裂かれ、無惨な姿となっていた。
「雑魚が…いくら群れようと変わらぬ差があることを思い知れ…」
そう吐き捨てると飛龍は何事も無かったかのようにまた歩き出した。
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