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「牡蠣美味しいね。」
「じゃろうが、広島は牡蠣の美味しいところなんよ。他にも紅葉まんじゅうやお好み焼きとか、有名なんよ。」
「お兄ちゃんは何でも知ってるね。」
「お兄ちゃん、旅行にはちょっとうるさいよ(笑)」
「さすが電車の運転士さんだね。」
妹達はうれしそうに駅弁をほうばっている。
本田もそんな妹達の顔を見て安堵の表情をうかべるのだった。
そんな本田の願いが通じたのだろうか、家族もまた徐々にではあるが個々の生活を取り戻していった。
「春‼正‼はよ起き‼学校遅れるよ‼」
お袋の朝の恒例行事だ。
本田は公休日でもう少し寝たかったが目が覚めてしまったので台所に降りていった。
「おはようさん。」
「あら💦起こした?」
「あれだけ大きい声されりゃあ誰だって起きますがな(笑)」
本田はコーヒーメーカーのコーヒーをカップにそそぎながら苦笑していると、妹達も眠い目をこすりながらようやく台所に降りてきた。
「おはよ~…。眠い…。」
「お前らが昨日早く寝ないからだろ、まったく、毎度毎度しょうがないなぁ。」
と、本田が言ったが間髪入れずに、
「あんたも幸も変わりゃあせんかったがね‼まったく‼」
と、お袋がつっこんだ。
本田はバツが悪そうにコーヒーをズズッとすすった。
「クスクス…。」
さらに妹達まで笑うもんだから、本田もさらにバツ悪く、
「コラッ‼はよ支度しな‼学校遅れるよ‼」
と、妹達の尻をはたいた。
「お兄ちゃんのエッチ‼」
「エッチ‼スケッチ‼ワンタッチ‼」
「ロリコン‼」
「うるせぇ💢もっと尻でかくなって言え‼しかも俺はロリコンぢゃねぇよ‼」
「いいから早く支度しなさい‼‼‼」
「キャーッ‼」
とうとうお袋のカミナリが落ちて、妹達はせかせか支度を始めた。
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