第一話 「鏡」

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自宅に帰った古谷は、鏡を自室に飾ると満足そうに笑う。 鏡の他にも、古谷の自室は高価な品で埋め尽くされていた。 欲しいものの為には、金を惜しまずに使う……今回は、金を使う事なく簡単に入手出来たからか、古谷は上機嫌で鏡を見つめた。 「ホントいい買い物したぜ」 彼の脳裏には、鏡に映っていた女性がちらついていたのだ。 「また会いたいなぁ…」 そっと鏡に触れながら溜め息まじりに呟いた。 その後、数時間、鏡を見つめいた古谷が諦めたかけた時、鏡の中にモヤの様な物が映った後、待ち望んだ女性が姿を表した。 「何回見ても、綺麗な女だな」 見ているだけで、ときめきを憶えるのは、この鏡に映る美女だけだった。 鏡の中の彼女は、無言で微笑みを向けるだけだった。 古谷は、笑みを返すと、ずっと鏡を見つめていたのだった。
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