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翌日……古谷は自分が働く店に電話を掛け、休むのを伝えた。
自分が行かなくても、 スタッフは優秀だし、1日や2日なら大丈夫だと考えたからだ。
「2日だけ、2日だけだ。コイツをまだ見ていたいからな」
携帯を片手に古谷は、鏡に映るプラチナブロンドの彼女を眺める。相変わらず微笑みを浮かべるだけで、何も語らないが、古谷は、彼女に会えるだけで充分だった。
寝不足気味な表情だが、イキイキとした表情で彼女に笑み向けたのだった。
「貴女が居れば何もいらない気がする」
そんな台詞を言うと、彼女は嬉しそうに微笑む……それを見て、古谷も幸福感を感じた。
その日から、古谷は鏡から離れる事はなかった。
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