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「こんな店、あったか?」
明るい茶髪にウェーブがかかった髪型、ブランドのスーツを着こなした男性……古谷 巧は、いつもの帰り道を行く途中、見慣れない道を見つけ、興味本位で入ったのだ。
何か穴場的な飲み屋かバーでもあれば、と期待したが、実際にあったのは、雑貨屋らしき店だ。
周りには他に店にも民家も無い、この店だけが、ポツンとある。
古谷は店を見上げる。
「鏡月堂か……変わった店名だな」
外観は、古く、珍しくレンガ造りである……多少は、興味を持ったのか、古谷は、扉を開けて店内に入った。
「うっわ、スゲーな」
思わず、驚きの声を上げた。
壁には洋画、日本画が飾られ、店内にあるガラスケースには、オルゴールやアンティーク人形、カメオのブローチ、高価なネックレス、または、花瓶や蓄音機などが設置されている。
高価な品に混じって、豚の貯金箱やら、夜店で売られてる様なおもちゃの指輪やブリキのロボット、写真立てなどの品もあった。
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