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「どうだ?結構な美女だったろ?」
「……」
ライターをいじりながら古谷に話し掛けるが、古谷は鏡の前から動かないばかりか、呆けた表情だ。ふと、我に返ったのか、いきなり浮舟に詰め寄った。
「幾らだ、あの鏡!幾らなんだ!」
「うおっ!落ち着け!」
血走った目をしながら古谷は浮舟の肩を掴む。
多少は驚いた表情を浮かべた様だが、すぐに態度は平静に戻る。
「……この鏡をご所望か?」
「ああ!アンタのお気に入りなのは分かる!!金なら幾らでも出す、こう見えても金ならあるからな!」
食い下がる様に懇願する古谷を見て、浮舟は何かを考える様に頭を掻いた。
「入手に苦労したからなぁ。だが、そこまで熱心に思うなら、条件がある……それさえ飲めば、譲ってやるよ」
浮舟は、何かが閃いた様に明るい表情で古谷に〝条件〟を口にした。
古谷も多少の無理は聞かないといけないとと覚悟をした。
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