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「コレ、完成させてくれねーか?」
古谷の目の前に差し出されたのは、先程まで弄っていた
ルービックキューブだった。
意外な条件に古谷は、唖然とする。
「浮舟さん……だっけ?マジで言ってんの?」
「コレを完成させれたら、譲る。ダメなら残念だが譲らない……という事だ。この店にお客が来た以上、店長として仕事をしなきゃならねーしな」
アンタ正気か、と言いたい古谷だが、黙ってルービックキューブを受け取り、それを眺めていた……そして…。
「完成だ」
数分後、見事に揃ったルービックキューブを浮舟に渡す古谷は、勝ち誇った笑みを向けていた。
「へー、お前……スゲェな。簡単に揃えたじゃねーか」
「パズルゲームは得意なんだよ。一時期、ハマってたからな」
素直に感心した様な表情で完成したルービックキューブを眺めていた浮舟は、古谷の肩を叩いた。
「よし、約束通りにあの鏡をお前にやろう!」
「マジで、いいのか!」
「当たり前だろ、条件をクリアしたんだからな。売る権利がある」
ルービックキューブをカウンターに置き、浮舟が傍にある棚から一枚の羊皮紙を手渡した。
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