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そして、桃太郎は玄関に向かい、旅の支度を済ませて、おじいさんとおばあさんの方に向き直った。
「それじゃ行ってきます。」
と元気に二人に挨拶した。
「うむ。頑張っていくんじゃぞ。」
「体には、くれぐれも気を付けて行きなさいね。」
おじいさんとおばあさんはそれぞれ声を掛けた。
「はい!行ってきます!」と元気に家を出て、歩き出した。
おじいさんとおばあさんは、二人並んで桃太郎の後ろ姿を見届けていた。
「行ってしまいましたね……。」
とそうおばあさんが言ったが、おじいさんからの返事が無い。
どうしたのかと、おじいさんの方を向くと、おじいさんは腕を組み、口を真一文字に結んで、目から大量の涙を流して、桃太郎の後ろ姿を見ていた。
おばあさんは優しく笑い、「あの子なら大丈夫ですよ…。さぁ、中でお茶でも飲みましょうか。徹夜をした後ですからね。」
「あぁ、そうしようかの。」
おじいさんは涙を乱暴に拭い、おばあさんの背中に手を優しく持っていき、二人で家の中にはいっていった…。
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