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しばらく固まっていた二人は、ハッと我に返り、
「ばあさん、毛布か何かで包んでやらんと、この子裸じゃ。」
「そうですね!何か持ってきましょう!」
とおばあさんは家の奥へと急いで行き、奥から毛布を持ってきて、赤ん坊をくるんであげ、抱き抱えてあげました。
「しかし、驚いたわい。桃の中から赤ん坊が出てくるとは…。」
とおばあさんの抱いている赤ん坊を見ながら、おじいさんが言っていると、
「子供のいない私達に神様が授けてくださったんですよ。きっと。」
と赤ん坊を見つめながら、微笑んでいたおばあさんがそう言いました。
「そうじゃな!きっとそうじゃ!」
とおじいさんも納得し、素直に喜びました。
そこでふと、おばあさんが「おじいさん。この子の名前はどうしましょうか?」と言うと、
「名前か…。そうじゃなぁ…。桃から生まれた男の子じゃから、"桃太郎"というのはどうじゃ?」
と少し考えた後、おじいさんがそう言うと、
「桃太郎…。良い名前ですね。」
とおばあさんも笑顔で賛成した。
「よ~し、今日からお前は桃太郎じゃ。」
とおじいさんが言うと、
「キャッキャッ!」
と桃太郎は可愛い笑顔で笑っていた。
―――所変わり―――
本土から離れた沖合いの海中から突如、島が出現し、島の周りには暗雲が立ち込め、不気味な雰囲気を漂わせていた…………。
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